今年の冬至は、2025年12月22日月曜日 0:03です。
Yule(ユール)は、冬至を祝う古代ケルト・北欧の祭りが起源です。
一年でもっとも夜が長くなる冬至の日に「太陽の復活」を祝い、火を焚き、香草を焚き、家族とともにご馳走を囲む行事として行われていました。
特に有名なのがユールログ(大きな丸太)で、これは「再生する太陽」を象徴し、長い夜を照らすために暖炉でゆっくり燃やしました。灰は守護の力があると信じられ、畑や家の周囲に撒かれることも。
また、常緑樹(モミ・ヒイラギ・ツタ・ヤドリギ)を飾る習慣もユールに由来し、
「冬でも命を失わない聖なる樹」として祝福や魔除けに使われました。
こんにちのクリスマスの文化の多くは、このYuleの民間信仰を「キリスト教徒にとって意味のある祭日にしたい」と形を変えて残ったものと言われています。
一番深い闇の中で、光は生まれる
冬至の夜は、一年でもっとも闇が長く続きます。
けれど、人は不思議なもので、
この深い闇の時期を「太陽が復活する日」として喜んできました。
魔女にとって冬至は“再生の前触れ”。
闇は終わりではなく、「新しい光が育つ静かな胎内」のようなものです。
外の景色が冷たく静まるほど、
内側の火は逆に強く、鮮やかに燃え始めます。
街は冬眠に入り、木々は葉を落とし、
人々は厚いコートに身を包みます。
そんな季節にふと気づくのです。
「ああ、人間も自然の一部なんだ」と。
自然がゆっくり休むように、
私たちも休むことを許されているのだと気づく夜。
それが冬至です。
冬至の象徴──“静かに整える”魔女の知恵
冬至のテーマは、ずばり「内側の灯を強めること」。
魔女の世界では、
・影との対話
・不要な思考の休息
・心の種の準備
が冬至の象徴とされています。
一年の中で、光と闇のバランスがもっとも闇寄りになるこの日、
心はゆっくりと深呼吸を始め、
自分自身の中に隠していた“本音”がひょっこり顔を出します。
それは決して危険なことではなく、
むしろ「次のあなたをつくる材料」。
闇は怖いものではなく、
光を育てるための黒い土のような役割を持っているのです。
魔女はこの夜、
外の世界を動かすよりも、
内側の火を丁寧に磨くことに時間を使います。
冬至の魔女術──小さな灯で自分を温める
冬至の儀式は、とても静かで簡単で、
そして驚くほど心がほぐれます。
●小さなキャンドルを一つ灯す
白か赤のキャンドルを一つ。
火を見つめながら、
「私はわたしの光と共にある」
と心の中で唱えます。
火はあなた自身の象徴。
小さな炎が、あなたの内面の灯を育てます。
●柚子やシナモンの香りで“太陽”を呼ぶ
冬至は香りがよく効く日。
柚子・オレンジ・シナモン・クローブなど、
太陽や温かさを象徴する香りを使うと、
心の奥に陽だまりが差し込むように感じられます。
湯気が立つカップを両手で包み、
自分の胸の奥を温めるように吸い込みましょう。
●心の影を書き出して、そっと畳む
紙に“最近静かに疲れていたこと”を一つ書いてみてください。
それを燃やす必要はありません。
三つ折りにして、箱の中へ。
冬至から少し経つと、不思議とその影は薄くなっていきます。
書いて、畳んで、手放す。
それだけで十分、魔法です。
冬至が運ぶ、静かな祝福
冬至は一年のうちで最も「希望に近い闇」。
ここから太陽はゆっくりと力を取り戻し、
昼は長く、影は短くなっていきます。
あなたの心の灯も同じように、
息を吹き返し、少しずつ力を増していくでしょう。
だから、どうか焦らなくていいのです。
光を呼び戻す準備は、もう始まっています。
冬至の夜が、
あなたの内側の種をそっと温め、
やがて来る新しい季節のために育ててくれますように。
Across one's Fortueをもっと見る
購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

